ザ・プレミアム・モルツ 夜香る黒エール1

 プレミアムモルツの2024年12月24日発売の限定ビール、夜香る黒エールを飲んでみたい。

 プレモル限定ビールにおけるジャパニーズエールシリーズのひとつであり、黒麦芽やファインアロマホップを使用した「カラッとした香ばしさとかろやかな余韻」が特徴とのこと。

 原材料は麦芽とホップ。度数は6%。色は、注いでいるときは若干淡めの黒ビールかなとも思ったが、グラスにおいては漆黒。ただ若干赤みを帯びた黒であるようにも思う。ブラウンがかった泡は繊細にしてクリーミーなプレモル品質。

 一口目で最初に感じるのはこんがり焦げたクッキーのような黒麦芽の風味、そして泡のまろやかさとコク。そのあとでコーヒー的な酸味と、ややクセのあるレーズン系のフルーティさが口内に染み渡る。

ザ・プレミアム・モルツ 夜香る黒エール2

 苦みは、旨みの衣をまとって後半に登場し、そのまま余韻として残る。とはいえ売り文句の通り、その感触は軽やかで重苦しさはない。飲み口、喉越し共に、黒ビール的な渋さはあるもののライトだ。

 ベルギーあたりの古典的黒ビールのような、独特な味やクセを有しつつ、それらを日本人にとってしんどくないレベルにおさめている。なるほどこれもひとつのジャパニーズエールというわけか。

 プレモルをはじめとしたサントリーのビールには、天然水由来の―――かどうかは知らないが―――澄んだ感触が特徴としてあるが、この黒ビールにもそれはあるように思う。

 他のサントリービールに比べるとわかりにくいかもしれないけれども、どこかにある。その澄んだ感覚もまた、黒ビールのクセを味わいやすく、飲みやすくしている。

 夜香るの名前のとおり、夜、落ち着ける環境でしみじみと飲みたいビールだね。

 パッケージもいい。この寒い中、夜空を見に外に出るのはつらいので、美しいパッケージをながめながらじっくりとこのビールを味わう……なんともいえない冬の幸福だ。