スプリングバレー シルクエール 〈白〉 – 高貴なるスイート、ミルク、シャンパン
シルクエールはキリンのクラフトビール、スプリングバレーシリーズの白ビール。
白ビールは一般的には大麦だけでなく小麦や小麦麦芽を多く使用したビールのこと。色合いはやや淡く、その名の通り泡は純白で、グルテンの影響でちょっと粘り気が感じられるそうな。
原材料は、麦芽(小麦麦芽含む)、ホップ、コーン。度数は5.5%。製法は小麦の特徴を活かせる「ホワイトエール」製法。ホップにはニュージーランドの希少ホップ「ネルソンソーヴィンホップ」を使用し、白ワイン的な香りを生み出しているとのこと。
色合いはシャンパンを想起させるような薄めの金色。鼻で嗅いでみても、なるほど白ワインっぽさが感じられる。
まずは一口。最初に感じるのはシルキーなコク。ミルキーな感じは意外と控えめで、その直後に複雑な味わいが押し寄せる。
澄んだビールの苦味、純度の高いフルーティな酸味、それらのなかにある染みるような渋味。甘みは結構控えめで、気品ある味わいとなっている。
このビール、ソフトに注ぐと泡が出にくいタイプに感じられたので、2杯目はちょっと荒めに注いでみる。すると控えめだったミルキーさやスイートさが花開く。
鼻で嗅いでみても、ミルキーでスイートな感覚が強くなる。それらがワイン感をふんわりと包み込み、融合し、なんともいえぬ上品な旨さを作り出す。
ううむ、これが本来の味わいかな? このスプリングバレー シルクエール、見た目の印象に反するかもしれないが、ちょっと大胆に注いだほうがうまいかも知れん。
3杯目はもっと大胆に、もっと泡たっぷりに注ぐ。ますます甘くミルキーに。もちろん白ワイン、あるいはシャンパン的な感覚はしっかり残る。洋酒入りのホワイトチョコレート。
想起されるイメージは、森の中の気品ある館に住まう深窓の令嬢。
ではあるものの、その深窓の令嬢をいただくときは、大胆に荒々しくガブリといったほうが“旨く”いくというわけだ。なるほどね。