サクラビール – 優しい甘さと濃厚なクリーム。そこに感じる大正ロマン
サッポロより2025年1月28日に限定発売が開始されたサクラビールを飲んでみたい。
このビール、もともとは大正時代に九州の帝国麦酒という会社が作っていたものを、当時の文献をもとに再現したものなのだそうな。文献をもとに、というのがいいね。
また同時に、現代に合うようある程度のアレンジもしているそうで、「香ばしいコクと、すっきりとしたのどごしを両立させたバランスの良い味わい」が特徴とのこと。
原材料は麦芽、ホップ、米。度数は5%。色合いはやや濃いめのアンバーゴールドで、泡も少しだけオレンジ色がかっている。
その泡から漂うのは、ほのかな、なんとも生っぽいビールの匂い。さっそくひとくちすすってみて、おお、と思う。口の中に満たされるのは芳醇なクリーム感。上質の生クリームのような、濃厚でありつつもしつこくない、そんな感触がある。
味そのものとしては、甘さが強めであるように思う。フルーティ系の甘さとはまた違う、あたたかで優しい麦の甘さだ。麦の旨みは、甘さと足並みを揃えつつ、その半歩程度後ろにいる。
苦味は序盤、甘さや旨みを引き立てるスパイス役として存在し、後半ではまろやかながらもすっきりした喉越しとともに、余韻として沁みる。
サクラビールという名称、レトロで落ち着いたピンク色を配色したパッケージからの連想もあるかもしれないが、この優しい甘さがいい。和を感じる。大正ロマンを感じる。
大正時代にサクラビールが製造されていたのは北九州の門司地区で、その跡地や建物を利用したものが現在の門司赤煉瓦プレイスとなる。
そこでは、今回飲んだものとは別のサクラビール(製造者、原材料等が異なる)が楽しめるらしい。日帰り旅行で行けなくもない場所なので、飲みにいってもいいかなと考えている。