ギネス オリジナルエクストラスタウト1

 ギネスのオリジナルエクストラスタウトはその名の通り、オリジナルなギネスビールにより近い味わいの瓶ビール。

 ドラフトギネスにあった泡を生むカプセルは入っていないが、その分ローストされた麦芽の香りは豊潤に、味わいは重厚になっているとのこと。

 原材料は麦芽、ホップ、大麦。度数は5%。色は黒ビールらしい濃厚な漆黒だが、ややブラウンを含んでいるようにも感じる。泡はまったりしたコクとクリーミーさに満ちている。泡から漂う匂いは穏やかなレーズン。

 さてグビリ。まず泡を啜った瞬間、酸味を有したカフェラテが口の中に広がる。ローストされた麦芽の風味と苦み。その後に来るフルーツは何に例えるべきだろう。やはりレーズン? 熟成されたマスカット? あるいはカカオ?

ギネス オリジナルエクストラスタウト2

 こってりとしたコクは味わい全体を包み込んでいる。味わい全体の印象としてはやはりコーヒーだ。

 フルーティさを残した浅煎りの豆と、しっかり深煎りした豆を絶妙にブレンドしたコーヒー。そこにたっぷり濃厚なミルクを加え、丁寧に泡立てたカフェラテ。

 そんな個性を持ちつつ、それでもしっかり、まちがいなくビールの味である。

 特別な感慨を得られる味であるとも思う。味わいのなかにある微妙なアクやクセも、古典的かつ伝統的なビールの風格を生み出すのに貢献している。

 海外の歴史あるビールを最近よく飲むが、やはり日本のビールにはないものがいろいろ含まれていておもしろい。

 近代の、特に日本のビールは実に洗練されているが(外国のビールを飲むことでそれに気付かされる)、古典的な海外ビールにある、洗練による除去がされていない様々な要素に、おもしろみや奥深さを感じるのも事実である。

 なんにせよビールはうまい。というかビールを飲んで「これはまずい!」と感じたことがほとんどないので、私はつまり、ビール党のビール中毒者ということだろう。