ガツんとIPA – 鮮烈な苦みとグレープフルーツを包み込むコクとミルキーさ
ガツんとIPAは、IPA専門のクラフトビールブランド「J-CRAFT HOPPING」のビール。
「シトラを中心に、ギャラクシ、コロンバス、モザイクの4種類のホップを使用」「香りづけのためのドライホッピング(二度入れ)」とのことで、アメリカ西海岸風のスタイル(West Coast Style)に仕上げている。
原材料は大麦麦芽、小麦麦芽、ホップ。度数は7%。ちょっと高めのアルコール度数はIPAおなじみだ。めずらしく(?)パッケージにIBUが記載されており、それによるとIBUは70とのこと。
色は味の濃さを期待させる濃いめの琥珀色で、泡もオレンジ色がかっている。泡は、注ぐときはやや荒めでシュワシュワしたタイプかなと思ったものの、グラス上部においては繊細かつふわふわな状態でとどまる。
そんな泡から漂うのはグレープフルーツ系の柑橘の香り……なのだが、意外と甘くやわらかなものも感じる。ちょっと啜ってみる。おお、やはり甘くやわらかい。ミルキーな泡で、そのなかに柑橘の香りが溶け出している。
ただし本格的にグビリとやると、その名に違わず、IPAの苦みと強さがガツンとくる。IPAはこうでなくっちゃといいたくなる苦さ、濃さ、強さが心身に染み渡る。
鮮烈な苦みとグレープフルーツ、その後に訪れる麦の旨み、余韻として残る渋味。ただそれらは一貫して、甘さとまろやかさに包まれてもいる。
この甘さ、ミルキーでまろやかなコクは何が生み出しているのだろう―――原材料にわざわざ記載された小麦麦芽に注目したい。小麦が、この甘くまろやかな要素を生み出しているのではないか。実際、この甘さとコクは小麦を多用した白ビールを思わせる。
IBU70というと一般的なビールの3倍くらいの苦味成分を有するということになるが、それほどのキツさは感じない。もちろん、飲みごたえはIPAらしくガッツリある。
なんにせよ、うまくてしかも飲みやすいIPAだと感じる。パッケージからの連想でもあるだろうけれども、刺激的でありつつもカジュアル。爽やかでありつつまろやか。
うーん、旨いね。染みるね。最近つくづくIPAにハマってきている。
最初にIPAを飲んだときは「オゥ、強烈! たまにはこんな刺激的なビールもいいね(でもハマりはしないだろうな)」という感じだったが、最近はしばしば「ビールが飲みたい。特にIPAを!」なんて思うようになってしまった。