ブルックリンラガー1

 アメリカの代表的クラフトビール醸造所、ブルックリン・ブルワリーの代表作ブルックリンラガーである(ただし製造しているのはライセンス契約をした麒麟麦酒だ)。

 18世紀のニューヨーク・ブルックリンエリアで人気のあった“ウィーンスタイル”のラガービールを再現したものらしい。当時のブルックリンは、多くの醸造所が立ち並ぶビールの名産地だったんだそうな。

 味的には「苦味とホップの華やかな香りが際立ち、フィニッシュにカラメル麦芽の風味も感じられる」とのこと。カラメル麦芽の風味とやらが楽しみである。

 原材料は麦芽とホップ。度数は5%。色合いはちょっとダークさも感じさせる渋い琥珀色。やや柑橘色を帯びた泡は適度なコクを有した繊細かつさっぱりした感触。

ブルックリンラガー2

 グビリとやってまず「おう、ラガーだ。いいラガーだな」という感想が頭に浮かんだ。最近エールビールをメインに飲んできたからかもしれないが、ホップの苦味と麦芽の旨みを主軸に構成されたラガービールのシンプルな味わいに、ある種の新鮮さとうれしさを感じる。

 まず口の中に流れ込むのはシンプルにして上質なホップの苦みで、すぐにおだやかながらも太い麦芽の旨みが舌に染み込んでくる。

 苦みと旨みをしみじみ堪能していると、ほんの一瞬、蕾が花開くようにマスカット系のフルーティさが訪れ、その後に香ばしい風味が余韻として残る。

 喉越しは爽快でありつつ、まろやかなコクの感触も喉に残る。心地良し。

 ラガーらしい骨太でシンプルな味でありつつ、そのシンプルさを構成する要素がどれも重厚で上質。いい苦み、いい旨み、いいコクにいい喉越しである。

 アメリカのビールのはずだが日本のビールっぽい気もするな―――とも感じたが、前述した通り製造しているのはライセンス契約をした麒麟麦酒である。本家の通りの原材料・レシピで造っているのか、日本向けにアレンジしているのか、気になるところだ。

 いずれ、真にブルックリン・ブルワリーが醸造したブルックリンラガーを飲んでみたいものである。