ビアボール濃いめ1

 サントリーのビアボールは炭酸水で割り、ハイボール(ウィスキーソーダ)のようにして飲むビール。

 薄めにも濃いめにも、自分好みに割ることが可能だし、なんなら炭酸水だけでなく様々なドリンクを使用してビールカクテルにすることもできる。

 原材料は麦芽、ホップ、糖類。度数は16%。

 さて早速炭酸水で割って飲むかといくまえに、せっかくなので生の状態でも味見してみたい。

ビアボール原液

 原液にも、若干の炭酸は含まれている。色は濃いめの琥珀色だ。香りからは熟成し切ったマスカット―――ブランデー的な要素が漂う。

 ちびり。おお、生のままでも結構旨い。相応なアルコールの強さと、フルーティな甘みに満ちている。ビールっぽさは控えめではあるが、奥の方にちゃんとある。

 ただ同時にブランデーっぽさ、甘い白ワインっぽさもあって、事前知識がなかったら「これはなんのお酒なんだろう、何かのカクテルだろうか? ともあれおもしろいお酒だ…」と感じそうな気もする。

 まあ、これは生で飲んだ話だ。閑話休題。炭酸水で割ってみよう。

 本来は氷も入れたほうがいいようだが、ウィスキーソーダでも氷を入れないタチなんである(面倒だし)。だから単純に炭酸水のみで割る。割合の目安は、ビアボール1に炭酸水2がおすすめらしい。

ビアボール濃いめ2

 で、できたのがこちら……なのだが、なかなかそれっぽいじゃないか。琥珀系の色合いもオレンジ色がかった泡もおいしそう。

 さてグビリ。旨い。普通にビールだ。それもサントリーのビールである。

 酸味やフルーティな要素が前に出ているが、麦の旨さもしっかりあって、味わいや飲み口はさっぱりしていてクリア。ビールらしいほろ苦さは余韻として残る。プレミアムモルツの限定品にありそうなお味である。

 このビアボールソーダというべきカクテルを、ひとつのビールと考えその個性を評するなら、ブランデーっぽい香りと甘み、極めてあっさりした飲み口の向こうにある麦の旨みや苦み……といった感じになるだろうか。

 とはいえそれも、割り方次第では変わってくるのかも知れない。いろいろ試したくなるビールである。

ビアボール薄め

 薄めに作ってみるとこんな感じ。普通のビールっぽい色合いにもなるようだ。

 しみじみ味わうに、このビアボール、サントリーだからこそ生み出せた特殊ビールなのかなとも思う。炭酸水とカクテルしても不自然ない味わいというのは、他のメーカーには難しかったりするのではないか。

 付属のキャップを閉めれば、開封後2週間程度はもつらしい。日常そんなに飲まない人や、ちびちびお酒を飲みたい人にもおすすめだ。